ふたつのカバ、ヴォヤージュとバラード。
グルナというのは元々はフランス語のgrenat(ざくろ色、ガーネット色)ですが、モロッコ人が深い緋やえんじ色を「グルナ」と呼ぶアラビア語化したその音感が好きで、そして今がまさにざくろの季節ということにもあやかり、記念すべき柿落としの1stカバには「グルナ」と名付けました。
旅を意味するヴォヤージュ(voyage)は1泊旅行ができるサイズ。散策を意味するバラード(balade)はおでかけサイズ。
何の変哲もない紙袋のような自立型の形状シンプルでミニマルなフォルムが、モロッコの美しい織物の存在感を引き立てます。
モロッコではサロン(居間/客間)は家の顔というほどに、どこの家庭でも趣向を凝らして装飾に力を入れます。
サロンには必ず、部屋をぐるっと囲うようにしてコの字型に置かれたソファがあります。背もたれは壁を埋め尽くすように並ぶ大きな長方形のクッション。通称「サロン・マロカン」と呼ばれるこのソファを仕立てるためのテキスタイルには、その家の住人のこだわりが象徴的に表れているように思います。
スムスムのバッグ類のほとんどは、このサロン・マロカンの座面やクッションのためのインテリア・テキスタイルでお仕立てしています。今回、カバに使った美しい布たちは、30-50年前のものとされる古き良き時代のヴィンテージ・ヴェロア。滑らかな手触りと光沢、そして何よりも鮮やかな配色や美しい紋様には心惹かれて止みません。
内側には女性たちの晴れ着の仕立てに使われているサテンやタフタを張ってもらいました。
手仕事が美しい大小のリングが連なるチャーム、カーテンを結わえるようにループさせたロープで取り付けたヴォリューミーなタッセルは、イヴ・サンローランが眠るマジョレル庭園内ブティックにも商品を納めている、由緒ある工房へのオーダーメイド。
わたし自身で色を選び細い細い糸を撚ってもらうところから始めて、老舗のアトリエがひとつひとつ丁寧に作り出す繊細なタッセルです。
たっぷり入るトートの内側には大きなポケット。
2つに仕切られたポケットは、スマートフォンや文庫本、長財布が収まるサイズ感。ICカードや鍵など細かなアイテムも迷子にならず、すぐに見つかる/取り出せる機能美も備えています。
スムスム創始以来、いわゆる外注での制作が縫製アイテムに関して初めての試みだったということもあり、お互いの仕事のスタイルがまだよくわからない中でのスタートでした。そのせいかヴォヤージュのサイズは大きさがまちまちに出来上がってきて定型が定まっていなかったので、微妙に異なるAとB、2つのサイズ感よりお選びくださいませ。
こちらが指定したサイズのAは、ほんの少しだけ横幅が広い正方形。Bは縦横ぴったり同じの正方形です。
カバ・ヴォヤージュ〈グルナ〉✴︎
A
本体
- 縦/42cm 横/38cm マチ/18cm
持ち手
- 長さ/39cm 幅/3cm
B
本体
- 縦/38cm 横/38cm マチ/18cm
持ち手
- 長さ/39cm 幅/3cm
アクセサリー
- 全長/約30cm
- チャーム本体/約7cm
- チャーム・ロープ部分/約48cm(取り外し時)
- タッセル本体 /約18cm
- スライダー /直径1cm
*サイズは目安となります。手仕事の品のため個体差がございます。