Babouche Combinaison Noss-Noss
collection 2025〈oasis واحة〉
〈ネロリ〉
学名:Citrus aurantium
ベルベル語名:ⵓⴼⵛⴼⴰⵛ
アラビア語名:برتقال مر
フランス語名:Bigaradier
革色:胡粉色×カクタス
時は中世。砂漠の要塞。その一角には、椰子の木に隠れるように密かに広がる果樹園。
咲き誇る花々、たわわに実る果実。熱気の中の甘い香り。目に映る鮮やかな色という色。
ベルベル族の王妃・ザイナブは、史実上に実在するマリカ(王妃)。
スムスムが拠点とする古都マラケシュは、彼女が立てた都市計画をもとに礎が築かれたと言われています。夫であるスルタン(王)とともに、夫婦の協力のもとで拓かれた都市。
時勢への洞察の鋭さはもちろん、ほかにもさまざまな学問を身につけたと言われる彼女。治癒薬のための薬草学の見識も深く、時には媚薬で政治を動かしたという逸話も残っています。そんな彼女のことを、人々は「国王の用心」「魔女」と呼んだと伝えられています。
植物が秘める力を味方にしたザイナブ。彼女の庭には一体どんな香りが漂っていたのでしょう。鳥のさえずり、灌漑用の水路のせせらぎ、伝統音楽と女性たちの歌声が響く中で談笑しながらハーブや蕾を摘み、乳鉢でスパイスを混ぜて作られる練香や香油。並ぶ香水瓶。シリアスな争いの時代を、気品を武器に凌いできた様子が目に浮かぶようです。
揺るぎない意志で見事に運命の輪に乗ったベルベル人女性と、彼女が紡いだストーリー。12世紀の黎明期マラケシュの風光に遠く想いを馳せて、果実や花の色、そして中世マラケシュの面影をバブーシュに乗せました。砂漠のオアシスを感じていただければ幸いです。
✴︎バブーシュ・コンビネゾン✴︎
色と色のマジック、バブーシュ・コンビネゾン。わたしたちのバブーシュは長年チームを組んでいる職人たちの手によって、すべて旧市街の小さなアトリエにて作っています。
スカーフ、ジュラバ、バブーシュにバッグ。鮮やかな組み合わせで色を愉しむモロッコの女性たち。そんなマラケシュの街を彩る色彩感覚を、色の魔術師(老染料職人)が生み出すニュアンス・カラーの力を借りて色と色のコンビネーションにて実現しました。
かかとには、花嫁衣装で多用される金ラメの糸でスムスム(アラビア語で「ごま」)の刺繍を入れてワンポイント。
高品質の羊革で作られたバブーシュは、冬は暖かく夏は涼しく足を包み込みます。ご自宅での日常履きとしてはもちろんのこと、旅先や空の上でのリラックス・タイムや外出時の携帯用スリッパとしてもご愛用いただけます。みなさまの日々の彩りになりますように。
バブーシュ・コンビネゾン Noss-Noss/オアシス〈ネロリ ⵓⴼⵛⴼⴰⵛ〉
37
22.0~23.5cm (フリーサイズ)
39
23.5~25.0cm (フリーサイズ)
41
25.0~26.5cm (フリーサイズ)
43
26.5~28.0cm (フリーサイズ)
*サイズは目安となります。手仕事の品のため個体差がございます。